乾燥方法と発芽玄米について
乾燥方法と、発芽玄米について
<乾燥方法について>
黒米以外のコシヒカリ等の黄色い玄米のお米は送風(機械)による低温乾燥です。送風ですので常温ということになります。
最近は発芽玄米を目的に購入されるお客様が多いので、その様にしております。
種籾にする種子の乾燥は胚芽部分に紫外線を当てないように日陰で乾燥させるのが当農場の基本ですので、通常の種籾にする目的の種子は天日で直射日光に当てて干しません。発芽部分に紫外線の影響が出るためです。
一般的な精米などの食用にする場合は天日で問題ないです。(発芽率を問われないためです。)
しかしながら、発芽玄米を目的に購入される場合においては、発芽率が高いほうが良いと思いましたので、風を機械でおこして籾に当てて乾燥させる『種籾仕様の低温乾燥』を行っています。時間もかかりますし手間もかかりますが、その方が良いと考えました。
機械で送風する理由は、収穫期に乾燥するのに必要な風が、日陰に一定の強度で収穫時期に毎日吹き続けるということは難しいからです。
高温での機械乾燥による発芽率の低下をご心配されているのではと推察いたしますが、高温の熱風を当てる乾燥方法ではありません。
<黒米は天日干しである理由>
私達が育てている黒米は食用でもすべて天日干しです。
理由は、黒色色素は紫外線から胚芽部分を守るためにあるものだからです。
黒色色素を持つ黒米は天日干しにしても発芽に影響は少ないが、黒色色素を持たない黄色い(コシヒカリや白宝等)の玄米は紫外線による影響を受けるため、送風による乾燥になります。
<発芽について>
発芽は品種によって必要な時間が違います。
充実したしっかりとした実の方がのんびりと発芽する場合がありますので、同じ品種でも『発芽が早いのは良い種だ』ということは一概に言えません。人の考える「早いのは良いことだ」という考え方が、自然界では必ずしも当てはまりません。
<発芽方法>
お米の発芽のメカニズムはだいたい積算100度で発芽するのが目安になります。
常にきれいな水を循環させながら水温を保つ環境を整えた上で行います。
・例えば
1日目(24時間)水温一定20度を5日間で積算100度。
品種による誤差が生じてもだいたいこのような目安になります。
最近はネットの情報等で、「天日でないと発芽しない」「ほとんどの玄米は発芽しない、生きていない」「発芽が早いのが元気な玄米」「この栽培じゃないと発芽しない」等過激なキャッチフレーズが横行しているようです。
「どうしたらよいのだろうか・・・」と悩み苦しんでおられるお客様が増えているように思います。
しかしながら、極端なことを言えば、高温で機械乾燥しても、無農薬でなくてもある程度は『発芽はする』ということです。
大丈夫です!
農家が苗を育てるために必要な種籾への対応と発芽の方法を、ご家庭での発芽玄米でどこまで厳密にするべきかは人それぞれのお考えだと思うのですが、元気な玄米を最大限の努力でお届けできるようにしております。
どうぞよろしくお願いいたします。